食のエッセイ「大阪編」 文 Makoto Shibata 監修 Shinri Takaragi 恵比寿ネットのシスオペである真さんこと宝樹真理さんを迎えたのは、夏の甲子 園が終わり、涼しさが舞い戻ってきた大阪の玄関口梅田地下街の曾根崎警察前であ った。 昼から集まったのは地元大阪のうさぎの月光図書館館長のサンダル足の猫さん、 神戸のSKYBlue Sea Net シスオペのMSHIBATAさん(以下MSと略す)、そして東京から 真さん。 MS 「真さん、お昼まだですか?」 真さん「まだです。」 MS 「ほな、寿司でもちょっとつまみまひょか。」 猫さん「おまかせします。」 話はまとまって、梅田地下の曾根崎警察前の階段をのぼって地上へ、一路お初天神 通りにある亀寿司を目指す。ああ、なんと休み。しかし幸いなことに隣の縄寿司は 開いていたので迷わず入る・ MS 「ビール2本。」 板さん「何握りましょ。」 真さん「げそ、とろ。」 猫さん「うに、エビ。」 MS 「まぐろ、いか。」 … MS 「真さん、どないでしたか、旨かったですか?」 真さん「浪花は旨うて安いですね。」 猫さん「ほな、ぼちぼち次へ行きましょ。」 やっぱり大阪に来たからには、次はタコ焼きでんな。猫さんに案内された店は八番 街にある店で大阪のタコ焼きは勿論、本場明石でたまご焼きと言われているところ の明石焼きもある。 MS 「やっぱり、つゆ付ける明石焼きでんな。」 猫さん「大阪は食べ物は何でもありです。」 MS 「10個430円とは安い。神戸では500円以上やね。まあ明石 では15個で500円ですけど。」 真さん「15個も食べたら腹いっぱい。」 そうしているうちに熱々の明石焼きが運ばれてきました。だし汁をつけて一口二口。 MS 「なかなかいけますな。」 猫さん「旨い旨い。」 真さん「東京にはこんな旨いものない。」 MS 「???」 さて、空腹を満たした男三人。今度は又地下にもぐり、食い倒れエコーに登場した 阪神百貨店地下の果実ジュース売り場へと向かう。 猫さん「ここです。」 MS 「うああ、人が多いな。」 猫さん「いっつもは、もっと多いよ。」 それぞれに好みのジュースをオーダー。MSはミックスジュースを注文。やっぱり 生のジュースは新鮮で健康にいいなあと思ったのであります。 地下街を歩いていると突然雷雨の模様、水不足の時ゆえ恵みの雨と言ったところで ある。 真さん「この地下街のようなものは東京には無いですよ。上に出なくて用事が すべて済ませられるのは便利ですね。」 と言いつつ、32番街の最上階へと登る。雷雨の梅田の街を眼下に眺めながら、真 さんと猫さんはチョコパフェを食べながら、伊丹空港へ発着する飛行機のコースや 大阪の将来やSKYBlue Sea Netの客集めはネットワークスに掲載してもらうのが一 番などと、GRN(グローバル・リージョン・ネット)の西さんと会う5時まであれこれ歓談。 真さん「わしさんのお父さんはジャンボの機長で昭和天皇訪米の時の機長ですよ。」 MS 「それで、わしさんは色々とこるわけやね。」 MS 「さて月刊パソコン通信よりネットワークスですか。客が集まりすぎたら、 フォローが大変やね。」 真さん「何を心配してんの。そんなに集まりゃしないよ。」 MS 「・・・・」 5時に西さんも揃ったところで、梅田地下より東通り商店街に出てすぐのところに キリンビール直営店はあった。御目当ては勿論新発売のアイスビール。直営店なら ではの発売と同時に飲めるビールでバックにジャズが流れムードを高める。おっさ ん4人でそんなもん関係ないか。 MS 「こたつねこさん、来ませんね。」 猫さん「普通の人はこの時間働いてまっせ。」 猫さん「これがアイスビールでんねん。」 西さん「フルーティーな味がしますね。」 猫さん「この缶、こってるでしょ。」 猫さん「もう一杯もらいまひょ。」 全員 「私も。私も」 本日のメインイベントは何と言っても、あの吉田健一さんが絶賛した「たこ梅」の おでんです。梅田には3店あり、まず地下の店を覗いて満席であれば梅田新食堂街 の方にすることで話がまとまった。西さんのGRNの仲間、陳さんもここから参加 して、最初の地下の店に着くや夏休みの貼り紙。 西さん「全部の店が休みだったら、客失いますよ。」 MS 「西さん、さすが商人やね。」 そう言う訳で、新梅田食堂街の「たこ梅」に急ぐ。が、これまた休みであった。で、 その食堂街の二階にある居酒屋に賭けることにする。3店ほどある居酒屋の中から 湯豆腐の提灯のかかっている店に、結局入ると予約席となっている席に通され、ま ったく我々のためにリザーブしていてくれたかのようである。 西さんと陳さんは生ビール、真さん、猫さん、MSは昼間からビールをたらふく飲 んでいたので日本酒をオーダー。 おでん盛りあわせ、京都嵯峨野の湯豆腐などを注文。おでん盛りあわせが到着して びっくり仰天、おおきな器に5人分はあろうか。しっかりコロも入っている。こん なの一人で注文したら、どないなんの。 さてさて、すでに出来上がって誰が何を話したのか記憶にない。 「こたつねこさん、ひょっとして来られていたら、この場所はわかりませんね。」 「ほんまです。ただただペコリです。」 「ピープルはどうですか?」 「それが苦戦しております・」 「そりゃ、いけませんね。」 「それで関係ないけどJXにV.FC 28.8Kのモデムつけたんです。」 「うちとの接続でエラーばっかりだよ。16550に変えなきゃ。」 「まあまあ、あんまり苛めないで。」 「ところで、このおでんはタコ梅のと比べてどうですか、真さん。」 「まあ、旨ければどっちでもいいですよ。」 「HANAKOネットで、たこ梅を検索していたら、その通信料でさえずりが食べられ ますね。」 「やっぱり女性は雑誌のHANAKOを380円で買いますよ。情報量が違うし最新ネ タだですしね。」 「するとピープルは、 」 「競馬でもやるとか、とにかく客を集めないことには。」 … 「ファイドって何のことですか。」 「犬のことで、まあポチと言ったところです。」 「OS/2でFido BBSの立ち上げはどうですか?」 「メニューのところを作るのに手間取りましたが、9月には立ち上がりますよ。」 「Fidoは米国と繋がってますか、又Fidoのエコーは何を取り入れたら いいんでしょう。」 「選択は自由ですよ。エイズ関係だってありますけど、あちらと日本では大分ずれ がありますから、流せないですね。」 「GRNが開局したら関西も地盤沈下に歯止めがかかりましたね。」 「食い倒れだけの関西やないと、真さん東京に帰ったら言うてくださいな。」 「最後に真さん、忌憚のない感想を聞かせてくださいますか。」 「これだけ歓迎されたら、旨いと言わなければ帰れないです。私の名前はまこと だから嘘じゃない、本当に食い倒れ健在ですよ。」 最後に180円コーヒーショップに寄って御開きとなりましたが、日本酒を10本 以上も空にしちまって、真さん千鳥足で大丈夫ですかな。 いやはや、飲み食いに忙しく寿司屋以外の店の名前をまったく記憶していない。 こまったもんだ。